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火縄銃の演武



私は目的も無く、ただ無駄にガソリンを食うだけという放浪ドライブをする事が多くあります。2005年10月10日(だいぶ前になってしまいますがw)も同じような事をしていて埼玉のほうをフラフラと走っていました。

埼玉県行田市に忍城(おしじょう)というお城の址があるのですが、そこに午後1時頃にたまたま立ち寄った所、そこには鎧甲冑に身をつつみ、鉄砲をかかえて何か打ち合わせをしている団体が…(絶句) 報道関係者らしき人の姿もあったので「何だろうな?」と思い、しばらく様子を見ているとこれから火縄銃の実演をすると言うのです。これは良いタイミングでした。あと一時間早く来ても、一時間遅くても見られなかったわけですから。

※写真をクリックすると、大きめのサイズが新規ウインドウでひらきます。
リハーサル中 リハーサル中 その2

この団体は 『川越藩火縄銃鉄砲隊保存会 獅子の会』 といい、有志を募って結成された歴史保存会です。他所で歴史関連の行事等がある際にはそちらに出向き火縄銃射撃を披露しているようです。

リハーサルを一通り行ったあと、本番の時間が近づくにつれて結構な雨が…その日は天気が悪く、雨がポツポツと降ったりやんだりで、まあ晴れる事はないだろうなとは思っていましたが、あえて本番のあたりで強く降らなくても良いのに… 雨が弱くなる事を期待して、一行は雨宿りのために退避してしばらく様子を見る事に。

一時撤収 誰もいなくなった本陣

しばらく待機しましたがまったく止む気配が無いので、雨天決行。場所を移し布陣した所で進行係からのアナウンスがあります。その後、獅子の会リーダー 寺田"図書助"勝廣氏がマイクを持ち、色々な説明がありました。獅子の会の事、歴史の事、そして火縄銃について。使っている火縄銃は複製品ではなく昔からある本物だそうです。今はいかなる事情があっても作ってはいけないらしいので、歴史的価値のあるとても貴重な物です。

《ふおぉぉ〜ぅっ ふぉぅう〜ぉぉぅお〜っ》 法螺貝キターッ 出陣式も当時と全く同じやり方をしているそうです。一般的な人よりも歴史には詳しいつもりでいた私ですが、説明には専門用語が結構あり、知らない言葉も多かったです。一番隊、二番隊、三番隊、という隊列をとり(いわゆる信長の三段撃ちの状態に近いもの) 鉄砲隊は全てリーダーの合図で行動をとります。火薬をつめたり火をつけたり、慣れた手つきでやっていました。ただし弾丸は詰めません。

整列して出陣式に臨む 隊列を整え火縄銃を構える

「一番隊放て」の合図で一列目が射撃。これが形容しがたい音で恐ろしいほどにデカいまさに爆音(唖然) ドゴーンというかズドーンというか…その場の空気が揺れる感じで、衝撃が耳にも来ますが腹にも来ます(w) 銃口から一気に噴出される爆風で前方にある木の枝がブワッと揺れます。その後会場は煙で真っ白に。見ている側は音量の相場がわからないので覚悟が決まっておらず、最初の一撃目は皆ビックリしていた。私は「うぉっ?!」と声を出して驚いてしまいました(汗) コラーおじさんほどは行かなくてもそれに近いびっくりの仕方をしてしまった orz

 二番隊、三番隊も射撃を終えると当然皆拍手。いや〜凄い。長篠ではこんなのが1000挺ずつ(※1)で行われたというのだから恐ろしい。戦国最強と謳われた武田騎馬軍団が壊滅したといわれるのもうなずけます。何巡かした後に今度は全員で一斉射撃。これがまたド迫力。

※1 合計3000挺であったのか一部で議論されていると言われるが便宜上こう記す。


雨が降っているので、傘をささずに見ている私達は少々キツイのですが、リーダー寺田氏がおっしゃるには

「演武をする時は晴れている日が多く、雨の日に行う事は滅多ありませんので、火縄銃が『雨がかなり降っていても撃てる』のを実際に目で確かめられる事ができる皆さんは、雨のなか大変ですが貴重な体験ができるという事になります。」 

との事。 これは言われて初めて知った事なのですが、雨がある一点に落ちたあと、再度全く同じ点に落ちるまでにはしばらく時間がかかるそうで、火縄に点火してから、発砲前にその火を雨に消されるような事は状況や確率的にあまり無いとか。実際に「あえて」しばらく待ってから発砲するという事をやって見せてもらいましたが、不発はゼロ。「お〜っ」と感服いたしました。

発砲直後 演武を終え会場をあとにする

その日に使うという事で規定の量を申請して、持ち込んだ火薬については、その日のうちに使い切らなければならない規則になっているそうです。私の記憶が正しければ、トータルの射撃回数は10人規模で5巡くらいだったと思います。そして不発はゼロ。時間的には30分〜くらいでした。珍しいものを見る事ができたので嬉しかったです。獅子の会の皆様おつかれさまでした。




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